私は将棋が弱かった。いやそれは別によかった。しかし何より許せなかったのは真剣に将棋に打ち込めてないことだった。将棋の神は真剣に打ち込まない奴には微笑まない。大学時代の留年した時なのもかもが中途半端だった。勉強をする気もおこらず、将棋も適当に指していた。大学受験を終えた後の自分は何もなかった。
さすがにいけないと思い、なにか新しいことをしようと思った。ふと思ったのはプログラムだった。それからテレビチューナーとかしてたPCでプログラムをした。メモ帳とBorlandCコンパイラというか意味わからん環境で必死に書いた。入門書に書いてあるエイトクイーン問題を解いた。世界が広がった。
エイトクイーン問題はいわゆる探索問題だ。すぐに探索問題は将棋と同じ構造であることに気が付いた。そこで思った。そうだコンピュータ将棋をしようと。最初に作ったプログラムは、私はその知恵を全部入れて作った。私は8枚落ちで勝てた。たぶん10枚落ちでも勝てたけどあまりに残酷なのでするのはやめた。コンピュータ将棋に詳しくない私も当時のBonanzaくらいは知っていた。だから名前を決めたPonanzaとか弱そうでいいね。
それから8年、コンピュータ将棋を考えなかった日はない。毎日毎日考えた。今の嫁の振られた日も考えた。結婚式の日も考えてた。語学留学してた時も考えてた。将棋にがんばれなかった自分に対する贖罪のように考えた。Ponanzaは強くなった。おぞましく強くなった。
次の一手は▲95歩
次の一手は▲63桂不成
Ponanzaの今回の将棋倶楽部24遠征の結果は69連勝、
レーティングは2年前位の自己最高レーティングを塗り替えて3455点。
本当に本当に強くなった。
たくさんの方対局してくださって本当にありがとうございます。
観戦された方も一週間お付き合いいただきありがとうございます。
叡王戦のほうは山崎さんが勝ち名乗りを上げたみたいです。
来年春に行わる山崎vsPonanzaの電王戦ぜひ見てください。
Ponanzaが将棋倶楽部24に来るのは今日で最後です。
将棋というものに出会え、
プログラムに出会え、
コンピュータ将棋に出会え、
将棋界に出会え本当に私はよかったです。
この場を借りて皆さまにも感謝をします。
熱い夏が終わりました。
また別の場所で会いましょう!
バイバイ!