コンピュータ将棋
電王戦のテーマの一つは「将棋には自由はあるか?」というものです。今回はPonanzaの将棋をしょっちゅう見ている将棋ウォーズ運営チームの皆さんにPonanzaの創造性についてコメントをもらったので紹介してみます。 将棋ウォーズ棋譜(Eijim九段対2016Pona九段)…
今日はPonanzaが指した人類に指せない(相当指しづらい)一手を紹介します。 ・twostep(R2944)さん戦 若干後手のPonanzaが良さそうですが、先手が駒損で猛攻を仕掛けている場面です。ここでのPonanzaの一手は結構衝撃です。 Ponanzaの指し手は△85飛(!!!??)▲32…
面白かったPonanzaの手の紹介をします。 ・satoko1985(R3107)さん戦 次に後手からの△55角という飛車銀両取りが見える所で Ponanzaの指し手は ▲22角△55角▲24飛(!!?)△88角成▲31角成(詰めろ)△71金▲21飛成 ・GOKIGENSAN(R2805)さん戦 ここからのPonanzaの指し手…
2年ぶりに将棋倶楽部24にPonanzaを参戦させてみた。 Ponanza側の条件は以下のもので、特に問題がなければ来年の電王戦でそのまま使うものを使用する予定である。 秒読み18秒(入力時間のマージンの為) PCは来年の電王戦で叡王と戦うPCと同じもの 人間対策用…
前回の記事の最後にFail Lowという言葉がでました。コンピュータ将棋はある局面を探索するときに、評価値をある程度予想して、その予想を元に探索をします。予想値の下限をアルファ、予想値の上限をベータといいます。よく聞くアルファベータ探索のアルファ…
屋敷九段とPonanzaの電王戦最終局が2014/4/12にあった。場所は将棋の総本山、将棋連盟。屋敷九段はどのようなコンピュータ対策をしてきたのだろうか?Ponanzaはどういう序盤展開に持ち込まれるのだろうか?色々な不安が錯綜したが、もはや作者としてはできる…
Ponanzaの思考ログを公開します。4万行以上あるので、正規表現で一部のログ(具体的には/^<1:info nodes/)を抜いてます。ログを追うと電王手くんとの通信に少しだけエラーがあったみたいです。このプロトコルの詳細が気になる方はこちらへ 追記 YSSの山下さ…
長かったこの5週間もついに明日で終わる。棋士とコンピュータが全力で闘う第3回電王戦はついに明日最終局を迎える。明日の対局の前に二人(?)の指し手の中から私が気に入っているものを挙げていこう。 屋敷九段の指し手の中で、私がもっとも気に入っている…
今週土曜日(2014/4/12)に第3回電王戦第5局が始まる。プログラマは事前にプログラムを提出しており、もうできることは何もないのだが。まだ決めてなければならないことがひとつある、いつ投了するかということだ。 電王戦で、コンピュータ側が負けたのは合…
コンピュータ将棋を理解する上で、大事なことの一つにマルチコアというのがあります。皆さんのお手元のPCや最近ではスマホも当たり前のようにマルチコアになってきています。ところで皆さんがマルチコアと言っているものはどんなものなんでしょうか? CPUと…
4/5(土)小田原城で先手ツツカナと後手森下九段の対局が行われた。二人の紹介についてはこの記事を参考にしてみてください。この記事では早速将棋の内容を見ていこう。ちなみに本局はリアルタイムで番組を見れてないので、記事の内容の精度がかなり自信がな…
本記事は以前、私が将棋倶楽部24のコラムで書かせていた内容を若干修正して転載してます。なお転載に関しては日本将棋連盟様から許可を頂いております。 ■ 将棋とコンピュータ 電王:山本一成 はじめまして皆様、私はPonanzaという将棋プログラムを作成して…
前回は将棋におけるNull Move Pruningのお話をしました。今回はNull Move、つまりはパスをするということが将棋においてどんな性質がある手なのか考えてみましょう。 「将棋のほとんどの手は悪手である」羽生さんが言っていたとされてます。将棋は初期局面で…
今日は将棋プログラムの探索について少し書いてます。将棋プログラムは探索と評価という両輪が補完しあって動いています。探索というのは人間でいう読みと同じような操作です。また評価は人間でいう形勢判断に近いものです。少しくらい評価にダメな部分があ…
このブログは電王戦をより楽しんで頂くための一助となればと思い書き始めました。なにか意見などありましたら、twitterで声をかけてください。今日もよくある誤解について解説していきたいと思います。 ■ よくある誤解将棋の名人を倒したら、次は完全解析? …
3月29日、大阪あべのハルカスで第3回電王戦第3局、豊島七段と将棋プログラムYSSの対戦が行われた。人類側の2連敗で迎えて本局、ここで勝たなければ人類の負け越しが決まってしまう。対局に先立って豊島七段のプレッシャーはいかばかりであっただろうか…
菅井五段と習甦の対戦から一週間息つく暇もなく、2014年3月22日両国国技館で、電王戦第2局佐藤紳哉六段とやねうら王の対戦が始まった。様々なゴタゴタがあったこの第二局なのだが、それはまた今度にしよう。今回は将棋の技術的な背景を解説していく。 先手や…
このコーナーはコンピュータ将棋によくある誤解を解消していくコーナーです。常日頃コンピュータ将棋はもろもろの誤解を受けているのでその点を少しでも解消できれば、とこのコーナーを作りました。 ■ よくある誤解コンピュータは定跡を覚えているから強い?…
2014年3月15日、電王戦第3局 ▲菅井竜也5段-△習甦の一戦が有明コロシアムで行われました。結果は前評判を裏切り習甦の勝利となりました。その試合についてコンピュータ開発者の視点から、観戦記を書いてみます。 図1 25手目 菅井五段が3八銀と美濃囲いを作…